アノトキドキの備忘録

随分昔のオモイの掃き溜め。自己満足なので悪しからず。

酔う

2017.12.08 0:11


深夜の熱
凍った窓の外から
酔った声が
聞こえる
その声は
妙に楽しそうで
切なそうで
酒に逃げる大人を
恨めしく思う
わたしは
ただのクソガキ
LEDの暖かさが
目に滲む
さあ、踊ろうぜ
いつかの真夜中に
そう叫んだ彼は
決して酔えない彼は
何を感じているだろう
充実感と虚無感は紙一重
酔い潰れた人間の
末路は『無』だ
古き良き時代に
時を戻そう
禁酒法を復活させようぜ
達成感と背徳感は紙一重
あの日の彼らに
なりきって
グラスに
毒を注ごう
とくとくと
頬を流れる水は
海の味
さあ、
まだ酔わぬうちに
グラスを掲げて
声を合わせよう
『無』を求めて
飲み干そう
ここは楽しい地獄だ
『乾杯!』