アノトキドキの備忘録

随分昔のオモイの掃き溜め。自己満足なので悪しからず。

終わりにて

2018.03.04 15:33


するりするり近づいてくる
おわり の足音
それは はじまり よりも
確かにあるもの
より鮮明に
煌々と輝く おわり
どうしようもない事実が
なけなしのバリアを破って
深々と突き刺さる

もう少しだけ

なんて星に願っても
太陽は躊躇わない
暖かくなった風が
微かに香る春の匂いが
重くのしかかる
おわり はもうすぐそこに
夢見の中に漂った光に
手を伸ばしても
掴めるのは澄んだ空気
必死でたぐり寄せた糸が
互いに絡んではずれない

お願いだから
もう少しだけ
ここにいてよ
未来なんて目に見えてる
あなたのことが
恋しくなるに決まってる
お願いだから、

おわり は
はじまり よりも
確かにそこにある
するりするり近づいてる
春風があたしの頬を
拭っても
とくとくと流れ落ちる
頬の雨
おわり は
すぐそこだ。