アノトキドキの備忘録

随分昔のオモイの掃き溜め。自己満足なので悪しからず。

独踊/どくだん

2019.05.14 3:09


今日も夜を使い果たして
明日を拒んで
今を踊る

一人で
ひとりで
独りきりで

そんなんじゃ
というか
こんなんじゃ
明日なんて
絶対に迎えに行けないけど
今日も今日とて
彼らに照らされているので
私は踊れるのだ

少し距離を感じる空気の中
薄くなった靴下で
フローリングの温度を探りながら
明日へのステップを踏む
月の上のアノヒトみたいに
腰を確かに動かして
腕を優雅に伸ばすのよ
独りきりじゃないみたいに

真っ黒い大海原にひとり
ぼんやりと月を見上げて
揺蕩うような
そんな気分の夜は、
どうすればいいのだろう

どんなに手を伸ばしても
どんなに背伸びをしても
どれだけ願っても
叶わないものは
あるだろうから

だから

わたしは

今を踊る

のかな

一人で
ひとりで
独りきりで
明日を拒んで
夜を使い果たそう
今を踊ろう
冷めたフローリングの上で
白けたステップを踏むのだ
腰を腕を動かして
まるで
独りきりじゃないみたいに
音楽が鳴っているかのように
夜を使い果たして
今を踊ろう

今を、踊ってよ
ひとりでいいから
今を、踊ろうよ