アノトキドキの備忘録

随分昔のオモイの掃き溜め。自己満足なので悪しからず。

2019.08.10 10:17


夏の匂いに
むせ返りそうになる頃
今年はいつもより
切なくて
刹那くて

夏の日差しは
陽を鮮やかに
陰を色濃く
映し出す

万年床から
窓の外の夏に
手を伸ばしても
硝子で怪我をする

いつもの通り
遠巻きに眺めた
花火は
去年より鈍く光って見えた

夢の中で
暗闇の中で
見つけようと
手探りしたのは
あなたが恋しいから
なんつってね

息の詰まるこの場所で
揺らいで見える
オアシスに縋って
わたしはきっと
じわじわと渇いてゆく

でも
わたしが敬愛する人たちが
こっちだよと
手招きをしてくれるので
わたしはどうにか
生き繋いでるの

耳元で滲む音楽が
わたしに
前を向く力をくれる
微笑む勇気をくれる
顔を上げる優しさをくれる
一歩踏み出す温かさをくれる

そんな命綱を
死に物狂いで
掴みながら
イカれたアタマの
片隅で考える

クソみたいな世の中だけど
クソみたいな人間だけど
そこに流れる
確かな愛を
唯一無二の愛を
わたしは
掬いたいの

夏の日差しは
それをいつもより
艶やかに
慎ましやかに
わたしに教えてくれる

どれもこれも夏の所為