アノトキドキの備忘録

随分昔のオモイの掃き溜め。自己満足なので悪しからず。

2019.01.14 15:17


あの人は気がついているのかも
わたしの視線や熱に
交わす言葉は湯気のよう
空にもくもく立ち昇る

あの人は気がついているのかも
わたしの胸の内に
長い睫毛が影を落とす瞳に
何か映ってるのかな

わたしは気がついていないのかも
丸めた背中に背負うもの
冷めた横顔によぎるもの

このオモイの在処なんて
知ったこっちゃないと
あの人は笑うのかな

まるで螺旋階段のような距離
決してあの人に追いつけないの
ふたりの間には大きな穴

あの人は気がついているのかも
わたしの指先の動きに
あの人は知らないふりをしているのかも
ふたりの間に流れる空気を
あの人はきっといなくなるから
わたしはそっと目を閉じるの
あの人は気がついているのかな
わたしが目を閉じたことに
あの人は気がついているのかも
わたしが目を閉じたくないことに
匂いが残ったままなことに

あの人は気がついていないのかな、